盲ろう者が活用できるICT技術について講師
2019年11月19日、盲ろう者向け通訳・介助員養成講座で講師を担当しました。
講座は青森県盲ろう者支援会が開催されており、代表の神さんには以前「視覚・聴覚障害のある方にiPadを教える人財育成講座」を受講してくださったこともある縁から、今回講師の依頼をいただきました。
今回は「盲ろう者が活用できるICT技術について」と題して、盲ろう者のICT利活用における実態や課題、障害のある方が活用できる機能やアプリなどについて2時間お話しました。
「盲ろう者」を主なテーマにした講演は初めてだったので、この日までにいろいろ調べたり、盲ろう者の方が活用できる機能やアプリについて改めて調べたり試したりを繰り返しました。
お陰さまで自分自身の勉強にもなり、身につけた知識や情報は可能な限り受講者の皆さんへお伝えしました。
今回は限られた時間のなか、iPhoneやiPadで盲ろう者の方が活用できそうな機能やアプリをたくさん紹介したいと思ったので、機能とアプリの名前を書いた紙を配布し、気になったものをどんどん自由に質問していただく形にしました。
幸いにも時間いっぱいまで途切れることなく質問してもらえたので、こちらも簡潔に要点を説明しつつたくさんの話題を取り上げるようにしました。
カメラを使ってお札やモノを判別するアプリの反応も大きかったですが、この日一番の歓声はAirPods Proを使ったライブリスニング機能を難聴の方に試してもらった時でした。
ライブリスニング機能とは、イヤホンから聞こえる周辺の音をより聞こえやすくする機能で、補聴器に近い使い方ができるのが特徴です。
会場にいらした難聴の方に試してもらったところ、最初は音が小さかったようですがiPhoneで音量を上げるとたしかによく聞こえたそうで「補聴器よりいいかも!」という感想に、受講者の皆さんから大きな歓声が上がりました。
今回の講座には聴覚に障害のある方も多数参加していたため、なおさらインパクトが大きかったのかもしれません。
AirPodsシリーズについて金額などの質問があり「最新版だと3万円程度、旧世代だと1〜2万円台」と返答。
この場合、わりと「(イヤホンにしては)高いね〜」という反応が多いのですが今回は「意外と安いかも」という反応も少なからずありました。
元々補聴器の方が金額だけ見るとずっと高いので、それと比べると安価という印象だったのかもしれません。
自分は補聴器について詳しくはないのですが、バッテリーは補聴器の方がAirPodsよりずっと持ちがいいだろうことはお伝えしておきました。それでもライブリスニング機能は、聴覚に障害のある方々にとってかなり魅力的に思えたようです。
今回受講された方々の中には知り合いもたくさんいて、手話通訳や要約筆記の方々もよくお会いする方々だったのでアットホーム感がありましたし、初めてお会いするろう者の方も積極的に手話でお話をしてくださったのでとても楽しい時間になりました。皆さまお疲れさまでした。
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