フェイスシールドの飛沫防止効果は?
マスク着用は今やマナーのひとつになっているような状況ですね。
マスクほど日常的ではないですが、飛沫防止アイテムとしてよく見られるのがフェイスシールド。テレビなどでも手話通訳の方がフェイスシールドをつけている様子がよく見られますし、セミナーや講演などで演者がフェイスシールドをつけて話している場面もよくあります。
ところでこのフェイスシールド、マスクと比べて顔の下が空く場合が多いのですが、飛沫防止にどの程度効果があるのか疑問に思う方も多いのでは。
これについて朝日新聞が2020年9月21日付で「小さな飛沫は100%近い漏れ フェースシールドの実力」という記事を上げています。以下記事の一部引用です。
理化学研究所や神戸大などは、世界最高レベルの性能をもつスーパーコンピューター「富岳」を使った実験結果を、8月下旬に発表した。不織布マスクをつけた場合と、フェースシールドをつけた場合で、人の飛沫がどう広がるかをシミュレーションした。
不織布マスクでは、5マイクロメートル以下のエアロゾルは約3割漏れたが、50マイクロメートル以上の大きな飛沫は、ほぼ捕まえることができた。一方、フェースシールドでは、エアロゾルは100%近くが漏れ、50マイクロメートルの飛沫でも半分が漏れた。理研チームリーダーの坪倉誠・神戸大教授は「飛沫を飛ばさないという効果を考えると、不織布マスクに軍配があがる」と話す。
2020年9月21日 朝日新聞
そのほか記事に書かれているポイントをざっくり整理してみました。
- 不織布マスクは細かい空気中の粒子をある程度防げるが、フェイスシールドではほとんど漏れる
- マスクの代わりに広く使われるようになると、感染防止に悪影響が出かねない
- フェイスシールドの使い方について、相手からのせきやくしゃみの飛沫が本人の目に入るのを防ぐために使用するもので、自分の唾液(だえき)が相手に飛ぶのを防ぐための物ではない
- フェイスシールドはプラスチックの断面が当たりけがをする可能性や、視界が妨げられることによる事故、熱がこもることによる熱中症の可能性など、デメリットもある
不織布のマスクに比べて、フェイスシールドの飛沫防止効果や使用に否定的な指摘が多いようです。
一方でフェイスシールドは透明な材質のため、聴覚障害のある人が話し手の口の動きを読みやすい(口唇)というメリットもあったりします。
一長一短ある飛沫防止グッズ。いろいろな知見を踏まえてケースバイケースで適切なものを選んでいきたいですね。
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