LINE Payからみる「スマート決済/契約」の動き

LINE Pay

コミュニケーションアプリとしておなじみLINE。様々な派生サービスがリリースされていますが、つい先日LINEを使った決済サービス「LINE Pay」が開始されました。

目次

LINE Payの利便性と危険性

LINEを介して決済や送金が行えるというこのサービス、若いユーザー向けか割り勘機能も付いています。相手の口座番号を知ることなく(つまりは銀行口座がなくても)LINEのアカウントを対象とした送金ができたりショップで購入できたりすることから便利さもある反面、様々な危険性を危惧する声も多いようです。

良くも悪くも若い世代のコミュニケーションツールとして浸透したLINEなだけに「LINE Payでスマート決済じゃなくスマートカツアゲされるのでは」など、子供たちの中で金銭に絡むトラブルや恐喝の新しい手段として使われてしまうのではという意見も出ています。

LINE側としては、LINE Payで決済した履歴はシステムに保存されるため、通常の恐喝などに比べて証拠が残りやすいことなどを指摘しています。とはいえ口座も必要なく、スマートフォンで気軽にお金のやり取りができるようになれば、問題が全く起きないと考えるのは難しいかもしれません。

スマート決済の潮流

スマートフォンを利用した決済サービスといえばTwitter創業にも関わったジャック・ドーシーが始めたSquare(スクエア)が有名です。スマートフォンにカード読み取り装置を設置し専用アプリを起動することで、スマートフォンをカード読み取り装置として使用することが可能になりました。以降国内外で類似サービスが登場し、手数料の低価格競争も激しい状況ですが、こうして「スマート決済」と言われる流れが生まれています。

またビットコインなど、国家に寄らない仮想通貨システムも賑わっています。取引所のマウントゴックスが破綻するなどの騒動もありましたが、その人気と利用は着実に広まりつつあるようです。

こうしたIT技術を下地にした決済方法は「スマート決済」や「スマート契約」などと呼ばれ注目が集まっています。

ATMなど金融機関を介さない決済のエコシステム「スマート決済/契約」

「スマート決済/契約」の特徴はLINE Payにもあるように、金融機関に口座を持つことなく独自の経済圏でお金のやり取りができることにあります。また、お金の流通にコストが掛からないぶん、決済で発生する手数料なども低いことが利用に拍車をかけているようです。これまでATMで行っていた支払いなどのアクションが、手元のスマートフォンでできるようになってきていることで、お金のやり取りに関するアクションが今後大きく変わってくるかもしれませんし、それに伴ってATMなどの役割も変わってくるかもしれません。

ちなみに「スマート契約」とは、契約履行の確認を「ブロックチェーン」と呼ばれる暗号化技術によってデジタル化し、支払いと連動させる仕組みのことを言います。

こと最近では県境や地域を超えた地銀の連携が大きなニュースとして取り上げられています。地方の人口減少や経済の衰退から、特に地方の金融機関における再編は今後も進みそうです。

国内ATMから海外クレジットカードの対応、ATMの明細にくじなど

その現れか、ATMもただお金の入出金を行うだけではなく、少しずつ工夫が施されつつあるようです。

コンビニのファミリーマートでは、店内のATMから海外発行のクレジットカードなどで日本円が引き出せるようにするサービスを来春から開始するようです。また、第三銀行ではATMの明細にスクラッチくじをつけるなど、大小様々な施策が進みつつあります。

また、みずほ銀行ではATMの操作画面にユニバーサルデザインの要素を取り入れてリニューアルしたりなど、ATMの基本機能そのものの改良も始まっています。

お金のやり取りには利便性と危険性が隣り合わせです。便利な機能は上手に使いつつ、新しい便利な機能も新たに生まれる危険性も、できれば両方を抑えておきたいですね。

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